10年ぶりの店

久しぶりの平日の休み。たまたま以前働いていた場所の近くを通りかかったら、その頃よく行っていた洋食屋の事を思い出したので、ランチに入ってみた。とある雑居ビルの4階にある、レトロな雰囲気の洋食屋に通っていたのは、もう20年近く前の事。お手頃な価格でハンバーグやグラタンのランチセットが食べられるコスパも店内の様子も良い店だった。もちろん味もおいしいけれど、ここで気になっていたのは、注文したランチセットを運んできてくれる店員さん。この店は家族経 

営なのか、当時70代くらいのおばあちゃんがいつも持ってきてくれた。特に話をするわけでもなく、特別に愛想が良いわけでも個性的でもないのに、なぜか運んできてくれるだけで、ほっこりする気分にさせてくれる、不思議な魅力のある人だった。当時、一緒に食事に来ていた職場の同僚とは、「ここの名物おばあちゃんだね」と話ししていたのを思い出す。

洋食屋は今も健在。実は職場を離れてから、数年おきに2回ほど来店している。今回は10年ぶりくらいか。12時前だが、席の半分以上は埋まっていた。店員は女性の方が1人で食事を運んでいる。さすがに20年近く経っていることもあり、あのおばあちゃんの姿はなかった。今日は一番好きだった、グラタンのセットを注文。店の雰囲気は相変わらず、時間がたったせいか以前に増してレトロ感が感じられる。やがてオーブントースターの焼きあがる音がして、すぐにセットが運ばれてきた。懐かしいセットである。あの頃の味、グラタンの皿にはマッシュポテトが2つ乗っているところも変わらない。奥の厨房で調理している人は昔と同じ方なのだろうか。

その間にも、店員の女性は会計や食べ終わった席の片づけ、注文を取る等、忙しく働いていた。忙しい中でも、飲み水の追加など気を配ってくれた。丁寧で親切な対応をしており、感じの良い方だと思った。あのおばあちゃんに会うことは出来なかったけど、今はこの店員さんが切り盛りしてくれる。この店は安泰だよね…と勝手に思いつつ、店を後にした。また近くに立ち寄った時は食べに行こう。

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