保留音あれこれ
仕事で、ほかの会社に電話をかけた時、よく保留音を聞く機会がある。「お待ちください」と言われるや否や流れてくるあの音である。昔、3ヵ月程コールセンターの仕事をした時は、色々な所の色々な保留音をいやでも聞かされることが多かった。そんな中、仕事に慣れてくると、保留音を聴きながら体を軽く動かしてみたり、足踏みをしてみたりと、ちょっとした余裕が生まれてくる。そして何の曲か考えてみるようにもなる。そのうち、使用される保留音には一定の傾向があることに気づいた。

①クラシックの曲が多い
例:「四季より『春』」ビバルディ、「カノン」パッペルベル、「アルルの女 第2組曲メヌエット」ビゼー
これは古い曲なので版権フリーだからなのか。この他にも、「エリーゼのために」「ノクターン第2番」など、ピアノ曲でおなじみの曲など、バリエーションはとても多いと思う。中でも「愛の挨拶」エルガーは色んな所でお目にかかる(聴く)ことが多く、私の中では保留音とくればこれ!と真っ先に思い出す曲となっている。
②ポップスは爽やかな曲が使用されがち
例:「そよ風の誘惑」オリビア・ニュートン=ジョン、「青春の輝き」カーペンターズ、「恋は水色」ポール・モーリア
1970年代に日本でも話題になった、おなじみの曲たち。ポップスの王道みたいな曲が並ぶ。いずれも、待つ相手に不快感を与えないような曲ばかりである。そういえば、「グリーンスリーブス」も聴く確率が高い。あれは爽やかというよりは物悲しい雰囲気の曲だが、どうしてよく使われているのだろう?
…どうでもいいことを考えてみる。仮に、こんな曲が保留音だったらどうだろう?
・「くるみ割り人形 金平糖の踊り」チャイコフスキー
…待っている間に疑心暗鬼になりそう
・「なき王女のためのパヴァーヌ」ラヴェル
…待っている間に気が沈みそう
一度聞いてみたいものだが、保留音にも向き・不向きがあるな。やっぱり保留音は明るい曲に限る。